8/15午後、メイプル牧場の和牛部門の8/11初産分娩予定の未経産の和牛、産気づいているがお産が進まない様子なので、加藤Vetが内診してみると、胎仔の他に胎胞とおぼしきものが確認され、「んっ、双子か?」と。子牛を無事娩出したところ、次の瞬間あろうことか、腸管が陰門からのぞいてくるではないか!。「ゲッ、子宮破裂だ!!」子牛も普通サイズで助産もうまくいったのに、陣痛の異常なのでしょうか。何はさておき、緊急OPEです。親牛を左側横臥で保定し、右膁部の膝の近いところを縦に30cm切開。メイプルの和牛は栄養度は高くなく(肥育以外は牛は太らせたらダメなのだ)、どちらかと言うとスマートなのですが、切開部は皮下脂肪、腹斜筋がかなり厚くちょっぴり大変でした。後めに切ったこともあり、腹腔内で手縫いも覚悟しましたが、子宮を創口から出してみたところ、子宮角から子宮体にかけて約50cm裂けていましたが、目視下で縫合可能だったのでひと安心。感染が怖いので充分抗生剤で腹腔内を洗浄した後、縫合無事術式は終了しました。
我々のキャリアの中でも子宮破裂は何度か遭遇しましたが、子宮の破裂が頸管まで及んでいて、泣く泣く諦めたこともありましたが、今回の親牛は術後予後も良く元気、食欲もバリバリあって安心です。(子牛も元気です。)発情して、受胎したら報告します。
ゲッ、マジ?、子宮破裂!?
2008.08.19|カテゴリー:診療日誌