メイプル牧場でもご他分にもれず蹄病が発生します。

 牛群管理システム「アフィ」の乳量・歩行数といった個体データより、又スタッフより歩様のおかしい牛が摘発され、蹄病の処置をします。ルーメンアシドーシスによる蹄角質の悪化による蹄底潰瘍、蹄底出血等はなく、感染性の疣状皮膚炎から蹄球びらんに及ぶパターンが殆どです。
 夏から毎日一頭は処置するペース(400頭以上いますからね)で、大体の牛が一回の治療で治癒します。
 しかし、11月に入り蹄球びらんから糞尿に汚染され(いわゆるスラリーヒール)、蹄底真皮まで感染し、跛行がひどくなった牛がいました。つまり蹄踵から蹄底まで肉芽組織が増生して、とても肢が着ける状態ではなかったのです。
 先ず、処置として患部の洗浄の後、患部の地面への接着を防ぐため、病変のない蹄に蹄ブロックを装着します。そして患部を清潔に保護するため包帯します。
 重症例は週一回処置を行います。
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写真は3回目の処置の時のものです。
 この牛は2回目の処置の際(1週間前)、キトサンパウダーを患部に塗布しました。
 初診時は蹄踵から蹄底まで、大きく肉芽組織が露出していたのですが、キトサンの効果により、患部が被覆され肉芽組織の露出が1/3程度になりました。又、患部をビニール袋で覆い包帯していたので、新たな感染がなく、きれいに保たれていました。
 次第に跛行も軽くなり、乳量も増えてきました。
 このような肢蹄疾患は死廃病因の常にトップで、適切に管理しないと牧場に大きな打撃を与えるものです。
 牛は「ここで食べなきゃ、私は発情しないしなぁ」とか「私、乳量出るしもうちょっと食べなきゃ」とポジティブシンキングしてくれません。肢が痛かったら飼槽スペースに行くのを諦めちゃいますからね。

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