酪農場の生産ロス要因として、栄養障害、蹄病の他、繁殖障害が挙げられます。メイプル牧場では牛の歩行数のデータを管理して、発情発見のツールとして人工授精に活かされています。実際、産後40日にも満たない発情牛を発見することが出来て、受胎しています。
しかし、そうした便利なツールやメイプル牧場の熟練した人工授精師の腕を持ってしても、受胎しないリピートブリーダー(正常な卵巣周期が営まれ、生殖器にさしたる異常が認められない雌畜のこと)がいます。
どこの牧場にもいますね。
こういう牛たちは、いずれ肥育転用し淘汰されていきます。いくら高能力でも……。
そこで我々、県の種雄牛選抜から洩れてしまった雄和牛の話を頂き、リピートブリダーのいるパドックに導入することにしました。
その名は秋勝号。現在20ヶ月齢。
我々は愛着をこめて『玉三郎』と呼んでます。
白血病の蔓延が怖いので、頻回に検査します。
昨秋より、空胎日数200日以上のリピートブリダーを対象に種付を開始して、現在23頭の受胎を確認しました。
写真を御覧の通り、経産牛と比べると体高が低いですが、何とか頑張ってくれてます。
期待以上の成績に皆一同喜んでいます。
何と言っても、不受胎牛を淘汰しなくて済むと言うのが嬉しいですね。
これはいいかも!リピートブリダーを討て、玉三郎奮闘編。
2010.03.17|カテゴリー:診療日誌