先日、メイプル牧場で、分娩予定日を大幅に超えた牛の帝王切開を行いました。
初産の牛で予定日より18日過ぎていましたが、分娩兆候が見られず、また、胎児も大きく経膣分娩は不可能と判断し、帝王切開の適応となりました。
妊角が右なので右膁部から切開します。
切開位置の少しの差が、胎児の取出しやすさに大きく影響するので、慎重にアプローチします。
切開創から子宮を出します。
今回は産気づいていない牛なので、怒責も無くスムーズに進みましたが、切迫した帝王切開ではここで苦労するそうです。
足にバンドをかけて胎児を引っ張ります。
胎児が出た後は素早く縫合します。
ET和牛で推定50㎏のかなり大きな雄です。
親牛の大きさから考えても経膣分娩は不可能だったと思います。
いざ分娩が始まってから、胎児が大きすぎてやっぱり出ない!と切迫した状況に陥った場合のことを考えると、
今回は帝王切開を計画的に実施したことで、親牛、子牛ともにその分娩時にかかる負担を軽減できた可能性が高いのではないでしょうか。
その判断は難しいものですが。。。
現在、親牛、子牛ともに元気です。