単心室が認められた黒毛和種去勢牛の1例

〇患畜プロフィール

・黒毛和種去勢牛、11か月齢

〇症状

・発育不良、元気(+)、食欲(+)、左右ともに心内雑音あり、肺炎での治療歴が多かった。

〇解剖所見

・心奇形と診断し精査のため殺処分および解剖を行った

・心臓は全体的に拡張し、心嚢膜と心外膜の癒着が認められた。

・左心壁と右心壁は同様の厚さであり、肺動脈や大動脈の開口部位は正常であった。

・左心室と右心室の境となる中隔が存在せず、単心室であった。

*ペアン挿入部位は肺動脈、鋏は大動脈

〇考察

・単心室はチアノーゼ性心奇形であり、牛における発生はまれである。牛でこれまで認められた単心室ははすべて右室型痕跡的心室が存在する左室型単心室であり、今回も同様の症例であった。

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